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不動産相場を知ることは、売却でも購入でも納得できる取引への第一歩です。相場の調べ方や価格が決まる仕組み、調べる際の注意点を分かりやすく解説します。
不動産の売却や購入を検討している方の中には、「自分の家はいくらで売れるのか」「希望する物件の価格は適正なのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
不動産は数千万円規模で取引される資産だからこそ、事前に相場を把握しておくことが大切です。相場を知らずに取引を進めると、本来より安く売却してしまったり、相場以上の価格で購入してしまったりする可能性があります。
この記事では、不動産相場が決まる仕組みや自分で相場を調べる方法、調査時の注意点まで分かりやすく解説します。
不動産取引を成功させるためには、相場を事前に把握することが欠かせません。
不動産は数千万円単位で取引される資産。そのため、相場を知らずに取引すると、本来得られるはずだった利益を失ったり、相場以上の価格で購入してしまうリスクがあります。
例えば売却の場合、相場より500万円安く売却してしまえば、その差額はそのまま損失になります。購入の場合も、割高な価格で取得すると将来の売却時に価格が伸びず、売却損につながる可能性があります。
また、不動産会社から提示される査定価格や販売提案についても、相場を理解していれば次のような判断ができます。
・査定価格に根拠があるか
・周辺相場と比較して妥当か
・販売戦略に現実性があるか
・高すぎる査定で媒介契約獲得を狙っていないか
近年は住宅ローン金利の変動や物件供給数の増減によって市場環境が大きく変化しているため、数年前の相場観だけで判断することは危険です。
納得できる不動産取引を実現するためには、まず現在の相場を正確に把握することから始めましょう。
不動産相場は単純に築年数や広さだけで決まるものではありません。
価格は大きく分けて「立地」「物件条件」「市場環境」の3つの要素によって形成されます。
【立地条件】
不動産価格に最も大きな影響を与える要素が立地条件。
具体的には以下のような項目が評価対象になります。
・最寄り駅までの徒歩分数
・利用できる路線数
・都心部へのアクセス
・商業施設の充実度
・学校や病院の利便性
・公園や公共施設の有無
・治安や街並み
同じ最寄り駅でも、駅の東口と西口で価格差が生じるケースもあります。
また、坂道の有無や前面道路の状況なども評価に影響します。
【物件条件】
建物自体の条件も価格形成の重要な要素です。
主な評価項目は次の通りです。
・築年数
・建物構造(RC造・SRC造・鉄骨造・木造)
・建物面積
・敷地面積
・間取り
・階数
・方角
・日当たり
・眺望
・管理状態
・修繕履歴
マンションの場合、同じ広さ・間取りであっても、棟や階数、バルコニーの向きなどの違いによって、数百万円以上の価格差が生じることがあります
【市場環境】
立地や建物だけでなく、市場全体の動向も相場を大きく左右します。
代表的な要因は以下の通りです。
・住宅ローン金利
・人口増減
・再開発計画
・インフラ整備
・建築コスト(資材や人件費の高騰)
・景気動向
特に住宅ローン金利は不動産市場との関係が深く、金利が低い局面では購入需要が増加し、価格上昇につながりやすくなります。
また、建築資材や住宅設備の価格も不動産価格に影響を与える要因です。資材価格が上昇すると新築住宅の建築コストが高くなり、新築価格の上昇につながります。その結果、中古住宅の需要も高まり、中古市場の価格に影響を与えることがあります。新築価格が上昇すると、自ずと中古市場にも価格上昇圧力がかかります。
このように、不動産相場は「立地」「物件」「市場」の3方向をベースに、あらゆる視点から分析することが重要です。
自分で不動産相場を調べる際には、いくつかの落とし穴があるため注意が必要です。
最も多い誤解は、「ポータルサイトに掲載されている価格=実際の取引価格」と思い込んでしまうこと。結論から言うと、ポータルサイトの掲載価格は相場そのものではありません。
SUUMOやLIFULL HOME'Sなどのポータルサイトに掲載されている価格は「売出価格」であり、売出価格には次の要素が含まれています。
・売主の希望価格
・値下げ交渉の余地
・販売戦略
・媒介会社の提案
実際の不動産取引では価格交渉が行われるため、成約価格は売出価格より低くなるケースが少なくありません。
例えば、
・売出価格:4,280万円
・成約価格:4,100万円
という取引は珍しくありません。
そのため、売出事例だけを見て相場を判断すると、実際より高い価格を相場だと認識してしまう可能性があります。
正確な相場を把握するためには、売出価格と成約価格の両方を確認することが重要です。
自分で調べることは可能ですが、いくつかの注意点があります。
【同じマンションでも価格は同じではない】
よくある失敗が、「同じマンションだから同じ価格」と考えてしまうことです。
実際には以下の条件によって価格が大きく変わります。
・階数
・方角
・眺望
・日当たり
・室内の状態
・リフォーム履歴
比較する際は条件をできる限り揃える必要があります。
【極端な事例を基準にしない】
相場より極端に安い物件には理由があります。
例えば、
・心理的瑕疵のある物件
・再建築不可物件
・借地権付き物件
・任意売却
などです。
反対に極端に高い物件は長期間売れ残っていることもあります。
こうした特殊事例を基準にすると、相場観が大きくズレてしまいます。
【「点」ではなく「価格帯」で考える】
相場は1つの価格ではありません。
例えば、
・4,000万円
・4,100万円
・4,250万円
・4,300万円
という4つの取引事例がある場合、
「この物件の相場は4,000万円〜4,300万円程度」
と理解することが重要です。
不動産相場は価格帯(レンジ)で捉えることで、実務に近い判断ができるようになります。
不動産相場を調べる方法は複数ありますが、精度を高めるためには組み合わせて活用することが重要です。
① ポータルサイトで売出事例を確認する
まずは市場でどのような価格設定がされているか確認しましょう。
主なサイトは次の通りです。
・SUUMO
・LIFULL HOME'S
・アットホーム
同じエリア・同条件の物件を複数比較することで、現在の売出価格帯を把握できます。
② 不動産情報ライブラリで成約事例を確認する
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、アンケート調査に回答があった事例のみではありますが、実際の取引価格を確認できます。
成約価格は実際に市場で成立した価格であるため、相場を把握するうえで非常に有効なデータです。
売出価格と成約価格の差も確認できるため、より現実的な価格感覚を身につけられます。
③ 複数の不動産会社に査定依頼する
最も実践的な方法が査定依頼です。
査定を依頼する際は、
・査定価格
・査定根拠
・販売戦略
・想定販売期間
まで確認しましょう。
また、1社だけではなく3〜5社程度を比較することをおすすめします。
なお、一括査定サイトを経由した査定依頼では、媒介契約獲得競争が起こりやすく、相場よりも高額な査定価格が提示されるケースがあります。
当社では査定額そのものよりも、「なぜその価格になるのか」という査定根拠を重視することが重要だと考えています。
売却でも購入でも、納得のいく取引を実現するためには、まず相場を知ることが大切です。
関連リンク
不動産情報ライブラリ https://www.reinfolib.mlit.go.jp/